「日常がちょっと違った景色に見えてくる」永山マキ(vo)とイシイタカユキ(g)による音楽ユニット、待望のセカンド・アルバム。
iima 2ndアルバム『おーいおーい』
2021年8月28日リリース
収録曲
1.「森の神様」
2.「おーいおーい」
3.「Oh! 湯(You)get ゆげ」
4.「走れ夜行列車」
5.「あなたのせいじゃないよ」
6.「沈黙に祈る人」
7.「Songbird」
8.「mori no kami sama」
iimaからのメッセージ
福岡に引っ越して10年。こちらに来てから沢山の方に出会い、様々な景色を、様々な感情を知りました。
それらは全部曲になり、ますます自然の息吹を感じられる作品になったのでは無いかと思います。大好きな曲ばかりを詰め込んだ2ndアルバム『おーいおーい』ついに完成しました。
1曲1曲大切に大切に作りました。是非聴いてください。 ー永山マキ
『最終回のうた』から3年半。 この間いろいろなことがありました。
前作は「自分」や「いのち」についてがアルバムの中心にありましたが、『おーいおーい』では「他者との距離」についてがテーマだったような気がします。 人間と人間だけでなく、人間と動物、自然や宇宙。 全てに存在する距離は、どれくらいあるのか、本当にあるのか、あるならば埋めるべきか否か。
誰かを理解したいのなら「おーいおーい」と呼び続けなきゃね。 ーイシイタカユキ
iimaによるセルフライナーノーツ
1.「森の神様」
written by 永山マキ
Arranged by イシイタカユキ
永山マキ − vocals
イシイタカユキ − guitars, bouzouki & vibraphone
ヤマカミヒトミ − flute
ある日、陶芸家の石原稔久さんから、
曲を作って欲しいと依頼がありました。
森の中にある工房で、土をこね、形を作り、
火をおこし、焼き上げる。
自然から、彼を通じて生み出される作品たち
その手や場所に宿る何かを曲にしたいと思いました。ー永山
もとはガットギターと歌だけのシンプルな編成でしたが、もっと「森」と「神様」感が欲しいな!ということで、ヤマカミヒトミちゃんにフルートをお願いしました。
フルートはおもに金や銀などの金属でできているのになぜか木管楽器に属するのですが、この曲ではヒトミちゃん愛用の木製フルートであたたかいけど涼しい風が吹くようなまさに神々しい音を入れてくれました。
ギターはずっと同じリズムパターンなので、途中で違うこと弾きたくなる衝動を抑えるのが地味な試練。ーイシイ
2.「おーい おーい」
written by 永山マキ
Arranged by イシイタカユキ
永山マキ − vocals
john*(John John Festival)− fiddle:
トシバウロン(John John Festival)− bodhrán
イシイタカユキ − banjo, guitars, bass & all other instruments
その雄大な自然に惚れ込み、何度も足を運んだ大分県のくじゅう。
虫が花粉を運び、鳥が種を運ぶ・・
自分がこの景色を見て、ここに立っていることも
すべてがご縁で繋がっている。
ここ数年「距離」について考えることが多くなった。人と人との距離についても。
文化や価値観の違いだったり、人と自然、人と動物だったり・・・おーいおーいは、違いがあることを受け入れた上で呼びかけあう、お互いを感じあう、そんなことも歌っている。ー永山
アイリッシュ、ケルト、カントリー、ブルース、そういうジャンルは ほぼ通っていないマキちゃんですが、「おーいおーい」の歌詞で伝えたいことを考えたとき、違うスタイルの音楽が融合する形が見えました。
というわけで、これは僕らの大好きなバンド「John John Festival」に参加してもらうチャンスではないかと、フィドラーであるジョンちゃん、そしてバウロン奏者のトシくんにお願いしました。
ふたりともフレージングはもちろんですが、アイリッシュならではの16分のフレーズでグルーヴを出す感じがすばらしくて、何度聴いても気持ちいい!早く一緒にライヴでこの曲をお披露目したいです。
僕はこの曲のためのバンジョーを買いましたが、レコーディング以来弾いてないかも、、何か使い道を考えよう。ーイシイ
3.「Oh! 湯(You)get ゆげ」
written by 永山マキ
永山マキ − vocals
トシバウロン(John John Festival)− bodhrán
イシイタカユキ − guitars
福岡から車で遠出するとき、たくさんのトンネルを抜ける。
長い暗闇のずっと先、わずかな光を感じると
ああ、やっとここから抜け出せるんだ・・と感じる。
それは、冬の日のお風呂で蛇口をひねり、冷たい水の中に、わずかなお湯の破片を探す様に似ている。
ゆげ、それは
しあわせの象徴だと思う
お風呂のゆげ、お鍋のゆげ
コーヒーをいれる時のゆげ・・・
ー永山
「double stop」という2音を同時に弾く奏法から始まりますが、そもそも僕にとってはブルースやR&Bを聴いてきて覚えた奏法なので、この曲の何とも言えない「ほんわか」した雰囲気にマッチしているのが面白い。
トシくんのバウロンも、お湯の底から浮かび上がる泡(あぶく)のようなフレーズで
温泉気分をさらに盛り上げてくれています。
最後の歌詞「すごくらく」のところで、ギターも「極楽」感を出そうとなぜか竜宮城のようなイメージが湧いて、東洋的な「double stop」フレーズで締めています。ーイシイ
4.「走れ夜行列車」
written by 永山マキ
Arranged by イシイタカユキ
Vocal − 永山マキ
Guitars & all other instruments − イシイタカユキ
Chorus − 永山マキ
深夜、高速道路を走っていたら
満天の星が見えた
あれが私たちの本当の姿だって思えたら
違いも、対立もこわくなんかない
みんな始まりは一緒だから
お風呂のゆげ、お鍋のゆげ
コーヒーをいれる時のゆげ・・・ー永山
締め切りギリギリ、最後に完成した曲。
「自分と他人」、「境界線」、「融合」、「自分とは何か」
というテーマをポップスとして表現する!
という難題に挑戦しました。
メロディやリズムの中にある異質なもの(変拍子)たちが、影響し合い混ざり合い、聴く人によって違う形を作る。
微かに聴こえるグロッケン(鉄琴)の旋律は、
幼い日の自分(本当の姿?)を思い出す意味で弾きました。
何の曲が隠れているか気づくかな?ーイシイ
5.「沈黙に祈る人」
written by 永山マキ
永山マキ – vocal& piano
長崎と宮城を旅した
どちらも
一瞬で見慣れた景色が無くなってしまった街
神様はいるのだろうか
いるのなら
何故 何も言ってくれないのだろうか
何故 こんな酷いことが起こるのだろうか
しかし
旅先で出会った人と話すうちに
私は自分の中に答えを見つけることができた気がした ー永山
iimaの曲は、ほとんどマキちゃんのピアノ弾き語りから作り始めるので、 ギターでは弾きにくいとか、サウンド的にギター向きではないとか、 そんなのばかりでいつも苦労しています笑
この曲は特にそうなので、無理やりギターに置き換えずピアノ的な弾き方をイメージして弾いていますが、 本来の生まれた姿のほうが想いが強くなる気がして、ピアノ弾き語りで収録しました。
ーイシイ
7.「Songbird」
written by 永山マキ
Arranged by イシイタカユキ
永山マキ − vocals
トシバウロン(John John Festival)− bodhrán
林正樹 − piano
イシイタカユキ − guitars
不思議な歌をうたう
鳥の声で目が覚めた
その鳥は
毎朝やってきて
同じ歌をうたう
何を言ってるのか
わからないけれど
わかろう
わかろう
と思って聴き続けた
出会いによって自分を見つめ直し、力強く新しい世界に飛び立つ、 そんな気持ちを林正樹さんのピアノで表現してもらいました。
歌を生かしながらも、自由に跳び回り、決まりごと(リズムやトーナリティー)から飛び出し、 新たな世界へたどり着く!圧巻のエンディング。
僕らは福岡、レコーディングスタジオは神奈川、というオンライン作業でしたが、 画面のこちら側は「おー!!行け〜!すげ〜!」とワールドカップ並みに大盛り上がりでした。
7.「mori no kami sama」
written by 永山マキ
永山マキ − vocals & clarinet
イシイタカユキ − guitars, bouzouki & vibraphone
オープニング曲の 「森の神様」に 歌詞をつけたバージョンです。
憧れの地、フィンランドの言語と 母の実家、祖母が住む福島の言葉で歌詞を書きました。耳慣れないかもしれない二つの言語。わかろう と思って聴き続けてみると・・・
ー永山マキ
一曲目と同じ演奏ですが、フィンランドと福島弁の歌詞付きなので、 フィンランドの方も読めるようにローマ字のタイトルになってます。
フルートの代わりにクラリネットが響き、少し落ち着いた雰囲気でアルバムを終えています。
ーイシイ
iima デビュー・アルバム『最終回のうた』に寄せられたメッセージ
「福岡へ歌いに行った時に、とびきり人懐こい笑顔のマキちゃんと再会できて本当に嬉しかったです。 あれから物事は激変したけれど、こうしてお2人の想いがアルバムとして結実したことは素晴らしいニュースでした。 アルバムを聴き進めると、九州の雄大な山並みや遠くフィンランドの森、福島の木立を吹き抜ける風、 はたまた極楽なお風呂の湯気まで感じられるようでした。 そして、何事にも真摯に向き合い、心から歌を捧げるマキちゃんの姿が胸に浮かんできて、心が温まりました。」
アン・サリー(シンガー・ソングライター / ドクター)
「宝物は手元に置いて、いつでも触れられることに安心し、永遠に所有出来ると錯覚していた。 だけど本当に大切なものは、手を離しても目をつぶっても、なんなら触れられなくても、 胸の奥に輝いて消えることなく私を支えてくれる。 どんなに望んでもカタチを留めておくことの出来ない美しい瞬間の連続でこの世界は出来ている。 そしてこの作品はその世界の扉を開ける鍵です。 森の神様が笑ってる。」
大田こぞう(犬昆虫DJ)
「iimaの音楽を聴いていると、浮かんでくるのはいろんな記憶の断片。 そのひとつひとつはぼんやりとして、はっきりとは見えない。 それは言葉では説明のできない、しようとすれば消えてしまう、儚いものたち。 そのもどかしさにもう少し浸っていたいと、つい曲をリピートしてしまう。」
おおはた雄一(シンガーソングライター / ギタリスト)
「おふたりの奏でる音楽は、からだの中の細胞を心地よく揺り動かし、ほぐし、あたため、豊かな流れを作ってくれる。 耳から浴びるほどに、光がいっぱい満ちてきて、私はキラキラ、たぷたぷの幸せになる。 いつもそばにある自然や動物たちの気配がぐっと近くなって、ふぅーっと深く呼吸をしたくなる。 暮れていく美しい空に見惚れてただただ立ち尽くすように、 iimaの音に包まれていると、私たちはもう満たされているんだって思い出す。 とっても大切なことを思い出す。」
平澤まりこ(イラストレーター)
「iimaの音楽を聴いていると、山頂で深呼吸をしているときの気持ちになったり、 森の中で重なり合う樹々を見上げてるときの景色が思い浮かんでくる。 日々の生活から大自然の中に身を置いたとき、身体中から込み上げてくる「わあ〜」というなんとも心地よい気分になる。 神々しさにも近いような、祈りのような、それでいて爽快感もある。 iimaの新たな世界を静かに、穏やかに感じたい。」
広沢京子(料理家)
ムツロマサコさんのイラストと 平野友夏理さんによるデザインの素晴らしいジャケット。写真はいわいあやさん。冊子も題字など沢山の方のご協力
ゲストミュージシャン、アルバムデザイン、同封冊子など
素晴らしい方々にご協力いただき、ようやく完成しました!